Neo『Record Straight』


実験的な色彩も強いZAGARに比べるとこのNEOというバンドの音楽性はよりロック寄りでポップなものだ。最新の音源はマキシシングル『Spellbound』になるのだが、ジャミクロワイみたいなファンクナンバーの同曲ではなく個人的な好みと後述する日本のポップカルチャーとの相関関係が感じられる点でよりロック色の強いこの曲を引いた。
このバンドはインディーではなくメジャーのEMI、ワーナーと契約し西欧を中心に英語圏でも音源がリリースされており、ハンガリーのエレクトロニックダンスバンドの中では比較的音源が手に入りやすいバンドのひとつだといえる。もっとも「Neo」と名乗るバンド、アーティストがやたらいてひどく紛らわしいうえ、国内のハンガリー(というか東欧全般)のこの手の音楽に関する情報が皆無に等しいので、私と同様偶然見つけたひと以外はほとんど聞いたことがないだろう。
以下はEMIのアーティストプロフィールから

NEOがその名を世間に知られるようになったのは1998年デビューシングル「The Pink Panther Theme」がリリースされて以降のことだ。このよく知られた映画のテーマ曲のリミックスバージョンは、カナダ、南アフリカそして日本に至るまで全世界の20カ国以上で発売される成功を収めた。
1999年の夏に発売された最初のフルアルバム『Eklektogram』はインスト曲とボーカル曲をともに収めた幅広い音楽性をミックスしたものだ。
2002年末にリリースされたセカンドアルバム『Lo-tech man, hi-tech world』はほとんどの曲がボーカルチューンであり、共作者としてHeaven Street SevenのボーカルKrisztia'n Szu"csがクレジットされている。ネオは当初デュオとして結成されたが、彼らのライブはドラム、ギター、ボーカルを含めたフルバンド編成でおこなわれる。
2003年末にリリースされた映画『Kontroll』サウンドトラックからのシングル「Kontroll」はこの映画がヨーロッパ各国で14の映画賞を受賞したことでこのハンガリー人デュオに国境を越えた知名度をもたらした。
2004年は第二期ネオのはじまりとなった年である。結成時からのメンバーであるMárk Moldovaiが脱退、ひとりになったMátyás Milkovicsは多くのミュージシャンを新規に正式メンバーとして加入させ、ラディカルな変革をおこなった。
2006年にはシングル「Kontroll」がドイツとオーストリアでもリリースされ、この年の年末にはハンガリーのフォのグラムアワードでベストエレクトロニックダンスアルバムに選出された最新スタジオアルバム『Maps for a Voyage』が発表された。
Discography:
The Pink Panther Theme (1998, single, EMI)
Persuaders (1999, single, EMI)
Eklektogram (1999, EMI)
Aiiaiiiyo (2000, single, EMI)
Diskhead (2002, single, Warner)
Lo-Tech Man, Hi-Tech World (2002, Warner)
Everybody Come On (2003, single, Warner)
Kontroll - A Filmzene (2003, soundtrack, Warner)
Kontroll / It's Over Now (2004, single, Warner)
Control (2005, Warner)
Control (2005, single, Warner)
Record Straight (2006, single, Warner)
Maps for a Voyage (2006, Warner)
(「Neo」、『EMI : Home Page』http://www.emimusicpub.com/worldwide/artist_profile/neo_profile.html

いい加減な話でソースがどっかいっちゃったんだが、1995年頃Mátyás MilkovicsとMárk Moldovaiのふたりで活動をはじめたこのバンドはもともとはDepeche Modeのカバーなんかをやっていたらしい。そこから「よりオリジナルな音楽」をやろうと決意し、98年になぜか映画『ピンクパンサー』のテーマのカバーでデビュー(この曲のリミックスバージョンはここから落とせる)。03年公開の映画『Kontroll』のサントラを担当したことで幅広い注目を浴びるも、翌04年Márk Moldovaiが脱退、『Kontroll』ではサポートメンバーだったEniko HodosiとPeter Kovaryのふたり(このふたりは03年まで「The Fever」という別ユニットとして活動)を正式加入させ、次いでGergő Szőcsがドラマーとして加入。4人編成となる。
メンバー各自の担当は以下
Matyas Milkovics - keyboards, programming, vocals
Eniko Hodosi - vocals, guitars, keyboards
Peter Kovary - vocals, guitars
Gergő Szőcs - electro-drumm
しかし、ライブ映像を見るとメンバー全員がそれぞれ「ほぼなんでもやっている」ので、役割が明確なバンドというよりは楽曲によってその辺が流動的に変化するユニットなのだろう。
関連リンク:
MySpace
http://www.myspace.com/theneoworld
(非)公式サイト
http://neo.disp.hu/
*いちおうマジャール語と英語の二ヶ国語対応。ただし、英語のニュースは2006年で止まっている。